濃密な3日間をふりかえって~「吃音の夏」のしめくくり 第32回吃音親子サマーキャンプに参加しての感想1

 2泊3日の吃音親子サマーキャンプの報告をしてきました。濃密な3日間でした。毎年、いいキャンプだったなあと思います。そして、今年も、いいキャンプでした。スタッフにとっても、きっと参加者にとっても、いいキャンプだったろうと思います。そう思える時間をともに過ごせたことを幸せだと感じています。
 参加した全員に向けて、感想を書いてほしいとお願いしました。今、メールや手紙やFAXで、感想が届いています。それぞれにいろいろなことを考え、感じた3日間だったようです。
 届いた感想の中から、今年初めて参加された方の感想を紹介します。

 はじめての参加でしたが、帰ってきて思い返してみると、「参加してよかった」と心から思います。キャンプ中は正直、大変でした。息子は、初日から帰りたがっていました。初めての場所は苦手で、家でいつもペースで過ごすことが好きな息子は、大勢の人や音にも敏感に反応していました。何度も荷物をまとめて帰ろうとして、時に大声で帰ると泣く息子にどうすればいいのかと思いました。
 でも、初日からことばの教室の先生に、2階の遊びのスペースで輪投げをしていただいたり、声をかけてもらえたこと、同じ部屋になった他のお母さん方からも、私にも息子にも声をかけてもらったこと、他にも大学生のスタッフからも何度も息子を誘ってもらったり、ごはんを一緒に食べてもらったりと、親子共々みなさんにとても支えていただきました。息子もイヤだと言いつつも、逃げ出しはしなかった。いろんな方に話を聞いてもらえていることは本人も嬉しかったと思います。そして、自分以外の吃音の子に会うのも彼にとって初めてです。肌で「自分だけじゃない」と思えたことはとても大きいことだと思います。高校生や大学生のお兄さん、お姉さんが楽しそうにしていることも親子共々希望が持てました。
 劇も初めての経験でした。本人が本番、楽しんでいるのは見ていてよく分かりました。この経験が自信になっているのもすごく感じます。他の子ども達のいきいきとした姿にも心が熱くなりました。
 あと、親同士の対話、伊藤伸二さんとの対話もすごく心に残っています。
 息子だけじゃなく、私自身も悩んでいるのは自分だけじゃないと思えたことは、これからの心の支えになります。
 これからも、悩むことも多いかもしれませんが、なんとかなりそうと思えます。
 来年も参加します。2回目はどんな姿が見れるのか今から楽しみです。本当にありがとうございました。
 吃音親子サマーキャンプに参加できたこと、とても幸運でした。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/09/05

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