はじめに

私たちの活動は、新聞や週刊誌やラジオやテレビなどのメディアで取り上げられました。過去の新聞記事で、私が保管していたものを紹介します。また、現在は全く関係がなくなったものの、言友会創立時から言友会を去るまで、私が直接かかわった活動について紹介します。

また、私たちの活動に深くかかわって下さった三人が、論文などの著作をニュースレターなどで公開することを許可して下さっていましたので、吃音資料館として紹介します。

内須川洸・元筑波大学教授は、第一回吃音問題研究国際大会の顧問として、大会を成功に導いて下さいました。また、日本吃音臨床研究会設立時には顧問とし私たちの活動を常に支えて下さいました。吃音評価法の作成、パンフレット『どもりの相談』の作成に深く関わって下さるなど、個人的にも長いつきあいがあります。

故水町俊郎・元愛媛大学教授は、私の考えに深く共感し、論文や著作で、活動を紹介し続けて下さいました。臨床家のための講習会を開催してきましたが、『治すことにこだわらない、吃音とのつき合い方』(ナカニシヤ出版)の出版が私との最後の仕事になりました。

からだとことばのレッスンの竹内敏晴さんは、晩年の20年以上、私たちと深くかかわって下さいました。「私も言語障害者だ」と、ことばのレッスンだけでなく、仲間として、吃音について一緒に考えて下さいました。また、吃音親子サマーキャンプの劇のシナリオを毎回書き下ろし、演出・指導をするなど、深く関わって下さいました。

この三人の貴重な文献などが、多くの人の目に触れないのはとても残念なことと考え、この資料館ではできる限りの資料を公開しようと考えています。

また、アカデミー賞主要部門を受賞した「英国王のスピーチ」や三島由紀夫原作の「金閣寺」の舞台化など吃音が広く話題になったことをきっかけと考え、これまで文芸作品や映画などで取り上げられた吃音についても資料として掲載することにします。

(伊藤伸二)