桂かい枝さんによる、喜楽館での落語「卒業証書」

 昨日は、神戸の新開地に行きました。電車を降りてすぐのところに商店街があり、そこに神戸の寄席の喜楽館があります。僕にとっては初めての会場です。
 この喜楽館で、桂かい枝さんが、「卒業証書」を演じることを教えてくれたのが、枚方市体育協会会長をしている西邨定実さんです。西邨さんには、DVDや学習・どもりカルタの作成などで大変お世話になっています。吃音とはまったく無縁だった西邨さんには、日本吃音臨床研究会の活動をいろいろと助けていただいています。西邨さんと待ち合わせて、神戸・新開地へ。大阪吃音教室の仲間である、東野さんと峰平さんも先に来ていました。
 かい枝まつりという落語会なので、かい枝さん自身が落語を4席行いました。そのうちのひとつが、石山悦子さんの新作「卒業証書」なのです。落語「卒業証書」は、このブログやFacebookで取り上げているので、ご存知の方もおられるでしょう。

 桂かい枝さんと初めて出会ったのは、2023年の10月。桂文福さんの紹介で、天満天神繁昌亭の楽屋でお会いしました。「卒業証書」を初めて演じられたときです。このとき、作者の演芸作家の石山悦子さんともお会いしました。
 今回のかい枝まつりは、かい枝さんからも案内をいただきました。留守にしていたので、かい枝さんからの留守番電話が入っていたのですが、分かりやすい、ゆっくりとした話し方、母音がしっかり出ていて発音がきれいな留守電でした。観客に向かって話をする噺家さんならではの発声・発音でした。その後、かい枝さんから直接電話で話をして誘っていただき、招待状を送っていただきました。

 落語会と関連して、その前日の読売新聞に、かい枝さんや石山さんの写真入りの記事が出ました。その見出しは、「吃音 堂々としゃべったらええ」でした。僕も、この記事の取材を受けました。記事の中に、日本吃音臨床研究会会長の僕のコメントが入っています。

 どもる人にとってはよく分かる、どもる教師ならではの卒業式に臨むときの不安、どもらない人に分かってもらうのは難しいかなと思うのですが、そこはさすがかい枝さん、豊かな表情と巧みな話術で、どもる教師とクラスの子どもを演じ分けていました。無事に卒業式を終えて教室に戻ってきた先生に、子どもたちが手紙を送ります。36人のメッセージが、子どもたちから先生への卒業証書ということでしょう。この元気グッズがあれば、これからどんなことがあっても、この先生は、吃音から逃げずに吃音と上手につきあいながら、先生という仕事を続けていくだろうと思わせてくれます。
 「卒業証書」の落語を聞くのは、これで3回目です。毎回、いい余韻を感じます。着替えが終わったかい枝さんを待って、招待券を送っていただいたお礼のあいさつをして、記念の撮影もしました。

 久しぶりに、神戸・三宮の町をぶらぶらしました。新しいお店もいっぱいできていますが、昔からのお店も健在です。欧風料理「もん」で遅めのランチ、観音屋のチーズケーキなど、三宮の町を楽しみました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2026/03/29

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