第27回島根スタタリングフォーラム 1日目~話したいことは山ほどある~
2025年11月8・9日、島根県立少年自然の家で開かれた第27回島根スタタリングフォーラムの報告をしています。初日の午後、僕と保護者との時間です。
僕は、話し始めると、止まらなくなって、2時間、3時間くらいはぶっ続けに話してしまいます。保護者との話し合いでもそうでした。聞いている人はしんどいのかもしれませんが、僕は話したいことがたくさん出てきて、止まらなくなるのです。休憩後も話は続きました。
通級指導教室に通っている意味についても、話題になりました。意味が見いだせないのならやめてもいいと思いますが、子どもにとっては親以外に吃音について相談できる人がいるということは大きな意味があると思います。遊んでいるだけのように見えるとしたら、そのことを率直に話して聞いてみたら、遊んでいる意味を話してくれるかもしれません。今、していることはどんな意味があるのか、確かめることは大切です。親として、リクエストすることもできるでしょう。
以前、引っ越しをして違う県の通級指導教室に通うことになった人は、言語訓練的なことをされたので、それはやめてほしい、今までの指導内容を説明して、こういうことをしてほしいと伝えたと言っていました。伝え方は丁寧に、でも、明確に、要望は出していいでしょう。大事な学童期の子どもを預けているのですから。そんなことを話し合いました
どもっているときは、何が起こりどんな状況なのだろうかと質問したお母さんがいました。口は止まっているけれど、頭の中も止まっているのか、と。頭の中は止まっていませんが、どもるとき、どんな状況なのか、どもるメカニズムはわかっていません。僕は東京正生学院で、どもらない話し方を教えてもらいました。不自然なくらいゆっくりとしゃべる方法です。どもらないようにしたいと思っているのなら、その不自然さくらい我慢しなさいと言わんばかりでした。でも、僕は、その話し方が嫌で、どもっていても自分のことばで話したいと思い、30日間、どもっていることばでしゃべり抜きました。それで、どもれない体からどもれる体になれたのです。
そんな話をすると、今年、5回目だというお母さんが、コロナでオンライン開催だったときに、僕が「今日は、気持ちよくどもったなあ」と言ったことがとても印象に残っていると話してくれました。心を開いているとき、気持ちよくどもれるのかと思い、自分の子どもがそう思ってくれたらいいなと思ったそうです。家の中で気持ちよくどもれるようになればいいなあと思います。家庭は、本来安心・安全な場のはずです。家庭の中で、どもっているかどうか細かくチェックし、どもったら言い直しをさせるというリッカムプログラムなどとんでもないことです。
1日目の話し合いの時間が終わり、簡単に振り返ってもらいました。
・いろんな話を聞いて、親としてが楽になった。
・最近、子どもから直接悩みを聞いた。今日聞いたことを参考にして、子どもに接していきたい。
・中学生の我が子は、細かいことは言わないけれど、悩んでいるのかもしれない。でも、ここに参加して何かを学んでいるはず。これで大丈夫ということなのかもしれないと思う。・このまま吃音とつきあっていくという覚悟ができた。
・今までの考え方、育て方でまちがってなかったと確認できた。
・こういう場があることで、親も子も安心できる。
夕食後のおしゃべりタイムの後に、今回初めて参加したスタッフと僕との時間がありました。幼稚園や保育園で、担当者して子どもと接している人や、今年初めて担当した人、中学校で担当している人など、バラエティに富んだメンバーが集まりました。保護者の学習会に参加した人は、こんなにたくさんの保護者の話は聞いてなかったようで、今まで見えなかったことがだんだん見えてきたと言っていました。これまで自分は表面的な話を聞いてきたような気がするけれど、これからは、将来のことなど深い話もしていきたいと意欲を話してくれました。僕は、小さい子であっても、自分の話し方に気づいていると思うので、話が出たときにオロオロしないよう、準備はしておいてほしいと思っています。最後にことばの教室の担当者にぜひ、取り組んでほしいことを話しました。声を育てること、声を出すことです。声を出す喜びや楽しさを十分味わってほしいなと思っています。具体的には、歌を歌うこと。日本語のリズムを体に染みこむように、和歌や短歌、俳句や詩などを声を出して読み合うことなどを紹介しました。ことばの教室で歌声や、絵本や詩を読む声が常にあふれるように願っています。
長い一日が終わりました。昨年の方が寒かったかなあと思いながら、眠りました。ほかの部屋も静かになったようです。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/11/1



