第27回島根スタタリングフォーラム~僕に会いたいという人がいることの幸せ~
先週の金曜日、11月7日に大阪を出発し、中国道と浜田道を経由して、浜田市のホテルに到着しました。翌日から始まる島根スタタリングフォーラムに参加するために、前泊です。スタタリングフォーラムのために何度も訪れている浜田の町、ホテルの近くの豚肉料理のレストラン「ケンボロー」での夕食も恒例になっています。このケンボローは、北海道浦河のべてるの家の向谷地生良さんと奇跡的な再会をしたレストランでもあります。
翌日、9時半頃にホテルを出て、スタタリングフォーラムの会場である島根県立少年自然の家を目指しました。10時受付、10時半のスタートに間に合うように出発したのに、ナビがなんともいえない道を案内してくれました。もう近くまで来ていることは確かですが、山道を走ること7、8分、すれ違いは絶対できないような狭い道でした。「対向車、来ないで!」と祈るようにして車を走らせました。やっとのことで会場に到着。ほっとしました。事務局の森川和宜さんがにこにこ顔で迎えてくれました。このスタタリングフォーラムの2代目の事務局の佐々本茂さん、スタタリングフォーラム皆出席の松原洋司さん、いつもスタッフとして参加している藤川さん、上部さん、伊津さん、高橋さんなど、顔なじみの顔をみつけました。参加者も集まってきます。昨年の参加者もいます。新しい人もいます。どのキャンプも同じですが、スタートする前のわくわく感が高まります。
そこに、ひとりの初参加の人が近づいてきて、あいさつをしてくれました。
地元が島根で、広島に住んでいたのだけれど最近こちらに帰ってきて、フォーラムのことを聞いた。自分も息子もどもる。自分がどもることは誰にも言ってこなかった。小さい頃は情報が少なくて、吃音に関して知らないことばかりだった。大きくなって、インターネットや本などから、情報を集めた。そして、一冊の本と出会った。その本に書いてあることが自分がこれまで考えてきたことと重なって、初めて共感できる本と出会った。その本の著者が僕だったというのです。著者の伊藤がこのスタタリングフォーラムに参加すると聞いて、ぜひ参加したい、伊藤に会いたいと思って、参加した。
ということを、ときに涙ぐみながら、一気に話してくれました。
こんな出会いがあると、生きていてよかった、島根スタタリングフォーラムをこれまで続けてきてもらってよかった、と心底思います。
もうひとり、山口県にある耳鼻科「ののはなクリニック」の院長、兼定啓子さんの紹介で、このスタタリングフォーラムに今年初参加する中学生の女の子がいます。部活の予定があるのを調整して、初日だけ参加することになっていました。兼定さんとのつきあいも長く、ぜひ、僕に会わせたいということで紹介してくれました。
僕に会いたいと思ってくれる人がいるというありがたみを感じながら、第27回島根スタタリングフォーラムが始まりました。いいフォーラムになりそうな予感を感じながら。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/11/12

