吃音をテーマに生きるということ 2 ~2012年度第23回吃音親子サマーキャンプ報告~
第23回吃音親子サマーキャンプの報告をしています。一昨日は、報告者である掛田さんが自分のことを語っていました。スタッフは、お世話をする人ではなく、テーマを持って参加するひとりの参加者なのです。今日は、サマーキャンプで出会ったひとりの男の子Aくんの姿を追った報告から始まります。自分の子どもの頃と重ね合わせた、温かいまなざしが感じられます。また、話し合いの様子、最後にやってきた特別ゲストの話など、盛りだくさんの報告になっています。
今年の第34回吃音親子サマーキャンプも目前です。どんなドラマが展開するのだろうと、ワクワクしています。(「スタタリング・ナウ」2012.11.20 NO.219)
吃音をテーマに生きるということ 2
~2012年度第23回吃音親子サマーキャンプ報告~
掛田力哉(大阪府立高槻支援学校教員・大阪スタタリングプロジェクト)
3.Aくんのこと
スタッフ劇の披露も終わり、キャンプ初日のプログラムが全て終了した。自分たちの劇がどんなふうに子どもたちに映ったのか不安も残ったが、とにかくやりきった心地よい疲労感に包まれながら、部屋の見回りに出た。子どもたちはそろそろ寝る時間帯だが、各部屋からは子どもたちの元気な声が溢れている。どもる子どもたちのキャンプと初めて聞いた人は、もしかするとあまり話をしない、無口な子どもたちの集まりを想像するかも知れないが、実態は全くの逆である。
子どもたちの部屋は常に大声の話し声と笑い声に満ち、あまり騒ぎすぎてスタッフに注意されることもある。「自分以外の子たちもみんな、どもっている」「自分は一人ではない」という環境は、初めてキャンプに来た子どもたちにとって一番の驚きであり、また喜びであるはずだ。初参加の子どもたちが安心して過ごし、話をしたり遊んだりしている姿が今年のキャンプでも多く見られた。
一方で、そんな独特の雰囲気に戸惑ってしまう初参加の子どもも多くいる。自身の子ども時代を思い返すならば、それは想像に難くない。無力な自分も、他人のことも信じられなくなっていた少年時代の自分が、もしいきなり多くの子どもたちの集まるキャンプに連れて来られ、「同じ吃音の子どもたちなのだ」と言われたとしても、そこに飛び込むことなど恐らくできなかっただろう。
目の前にいるキャンプの子どもたちにもまた、それぞれの思いがあり、それぞれの戸惑いがあるはずだ。見回りをしていると、やはり何となく所在無く過ごしている子どもたちの姿も見られる。昨年のキャンプで出会ったAくんもまた、部屋の片隅で一人時間の経っのを静かに待っているような少年の一人だった。私自身は、昨年、都合でキャンプ2日目の朝までしか参加できなかったのだが、同じ部屋に宿泊していたことで、Aくんと関わる機会を得た。話してみると、笑顔の素敵な、とても優しい雰囲気の少年だった。誘うと、同室の子どもたちとトランプ遊びなどを楽しむ姿も見せてくれた。しかし、彼がその後どんな経験をし、どんなことを感じながら過ごし、どんな思いで帰っていったのかを知ることはできなかった。
しかし今年のキャンプ初日、「出会いの広場」の会場に座るAくんを見たとき、私は心から安堵し、昨年のサマキャンが彼にとって何らかの意味ある体験だったことを確信した。彼が再びここへ来ようと決心したことが、何よりもそれを証明することだからだ。そして、たまたま私は「生活グループ」がAくんと同じになり、劇活動や野外活動などを彼と一緒に過ごすことになった。
2日目の午後、いよいよ劇の練習が始まった。初参加の子どもたちはもちろん、Aくんの顔もやはり緊張ぎみである。サマーキャンプの劇活動は、セリフを「上手く正しく」言うことを目指して行う一般的な演劇活動とは全く異なるものである。普段はあえて避け、遠ざけているかも知れぬ「声を出すこと」「ことばを通して思いを伝えること」「身体を思い切り動かしながら、表現すること」「誰かと共に何かをつくりあげること」…etcに劇活動を通して正面から取り組み、自分の声や身体、自分自身に気づいていくプロセスをとても大切にしている。
従って、練習の開始はひたすらに体を動かしたり、遊んだりしながら、体をほぐし、声をほぐしていく。スタッフが次々と即興で編み出す表現あそびに興じながら子どもたちも大笑いし、体がほぐれていく様子が分かる。初参加の子どもの一人が「劇の練習って、結構楽しいなあ」と言ってくれると、スタッフとしても心強くなる。Aくんも、恥ずかしそうにしながらも、楽しんでくれている様子だ。
そんな劇練習も中盤になると、いよいよ発表に向けて配役を決める段階となる。小学生たちを中心に次々と手が挙がり、順調に役が決まっていった。ところが、「父親」役を決める段になった時、希望者が誰も出ず、練習がしばし中断してしまった。小学生たちは皆ほぼ役が決まっており、残りは中高生だけという状況。スタッフの桑田さんが中高生を集め、状況を説明しながら、一人ひとりの思いを丁寧に聞き出そうとする。その時、Aくんと目が合った。Aくんの顔にふっとはにかむような笑顔が浮かぶ。次の瞬間、Aくんはこの父親役を引き受けてくれていた。この時Aくんの胸にどんな思いがあったのかは分からない。しかし、昨年部屋の片隅で様子を見ていた彼が、キャンプの主人公として、「自分のキャンプを生きよう」と決心した瞬間のように私には思えた。
その後のAくんは、練習の合間になるとスタッフに「ここはこうした方が良いと思うのだが・・」と自分の考えを相談するほどに、彼らしい誠実さで練習に取り組んでくれた。
サマーキャンプは、今の自分を少し変えるチャンスを作る1つの装置ではないだろうか。一歩を踏み出す背中を押してくれるのは、ある子どもにとっては共にキャンプに参加してくれた両親であり、ある子どもにとっては一緒に活動している、同じどもる子どもたちのがんばる姿であり、またある子どもにとっては、どもりながら自分の夢に向かって遭進する先輩たちのキラキラとした姿なのであろう。今年は仮にできなかったとしても、その次の年、また次の年に、チャンスが巡ってくる。少し変われた「手ごたえ」が、日常の生活に帰っていく勇気になり、己の吃音を見つめる「まなざし」に変わっていく。Aくんの姿は、それを教えてくれている気がした。
4.小さな巨人たち~「話し合い」の記録~
サマーキャンプの柱の1つが、子どもどうしが、自分たちの吃音にっいて思うこと、考えることを互いに話し合う時間だ。吃音への思いを語るには、勇気がいる。できれば思い出したくない、人には聞かれたくない胸の内を語ることは、辛い作業だ。吃音の話をしようとすると、はぐらかそうとする子どももいる。しかし、そんな子どもたちが互いの心にそっと手をのばし、時にはぐっと近寄りながら、ことばを引き出しあっていく瞬間もある。
今回私は小学校3年生のグループに入り、子どもたちの話し合いを聞くことができた。5人中4人が初参加という珍しいグループ。吃音のことをどのように話題にしていこうかと思案しながら始まった話し合いだったが、吃音をからかわれた経験を話し合うことをきっかけに、話し合いはどんどん深まっていった。冗談好きなメンバーが集まったせいかしばしば話は脱線したが、その明るさも、辛い話を口にするための、子どもたちの道具の1つなのかも知れない。そして後半、「あっ、分かった!」という1つの気づきが子どもたちの中に生まれる場面も見られた。小3グループの様子を抜粋して紹介する。
《1日目》
吃音をからかわれた経験について
A:そんなにはない。どうしてそんなしゃべり方するの?と聞かれたことはある。
B:「そんなしゃべり方、何でするん?」つて聞かれた。
D:バカにされた言い方とか。笑われたりとか。(授業中の)本読みの時とかは、静かにしなきゃいけないから誰も、何も言わない。休み時間に、遊んでいる時とかに言われる。
C:みんなではないが、4~5人が言う。
D:僕は、クラスのみんなに吃音だって言ったから…。吃音はわざとやっているんじやないから、今そうやってちゃんと説明したから、今度笑ったりしたら殴ると言った。
C・B:僕は、お母さんに言ってもらった。
E:僕は、自分で言った。「つまるから、笑わないで下さい」って言った。休み時間に自分で言った。みんな分かってくれた。
A:自分は、言ったことはない。
D:言った方が、楽かもしれないけど…。
C:1年の時につまりだして、2年でお母さんが先生に言ってくれて。それから、つまるのを笑うのをやめてくれた。1年の時は、時々からかわれた。
B:1年の時はつまったけど、そんなに笑われなかった。けど、2年になってからだんだん笑われるようになってきて、お母さんに言ってもらった。お母さんが、その子に「しゃべりにくいから、そんなこと言わんといたってな」って言ってくれた。お母さんに(そう言ってと)頼んだ。
C:オレがお母さんに頼んで、お母さんが先生に言ってくれて、それでしゃべってくれた。
溝口:先生とは直接吃音のことしゃべったの?
C:しゃべったことはない。
D:前から、先生とかお母さんと相談していた。それで、「明日言おうね」と決めて、言った。ずっと言われてきたから、何とかやめてほしかった。
溝口:どうして、自分で言おうと思ったの?
E:もう笑ってほしくないから。自分の方が伝えやすいから。
吃音をどう説明するか
溝口:「何でそんなしゃべり方なの?」って聞かれたら、みんなはどう説明しますか?
E:僕は無視するか…。
D:「こういう病気やから」と言う。
E:笑わせて、そのことを忘れさせたい。ギャグとかで。
C:言われるやんか。そしたら、話を変えていくねん。それで、最終的に笑わせる。
E:ことばを変えるの。話題を、変える。
B:僕は、「(何でか)わからへんねん」と答える。何でか本当にわからへんもん。「さて、どうしてでしょう?」とか逆に聞いてみるとか?(笑)
全員:それいい!「さて、どうしてでしょう?1番は…」とかクイズにしちゃう!(笑)そしたら、笑いになって、みんなもう忘れちゃう。
C:「何で」と何回もお母さんに聞いた。お母さんは「生まれつきやから」と答えた。
D:僕も同じ。それやったらしゃあないか…と思った。でも、何で自分がそうなったんかは、やっぱり分からん。知りたい。
《2日目》
友だちのこと
A:私は吃音だからあまり言えないけど、分かってくれる友だちがいる。その子は1年の時からずごく仲良しだったから、ずっと分かりあえて、自分で(吃音のことを)言ったら、その子は気にしないよって言ってくれた。(と作文に書いた。)
D:僕にもすごい仲良しの友だちがいる。○○くんとか。幼稚園の頃からずっと仲良し。どもってても、そのまま聞いてくれる。
C:○○とかが仲が良い。ほとんどの人は、ちゃんと聞いてくれる。
掛田:僕は、自分の吃音をずっと隠しつづけて、友だちも一人もいなかったから、みんなはとても素敵だし、すごいなと思う。ありのままでいられる友だちって、良いよね。
スタッフ劇の感想
B:すごいなあと思った。
D:一所懸命やっていると、どもっていることを隠せている。隠せているというか、どもっていることに気を引かれんと、劇(そのもの)の方に気を引かれる感じ。
A:どもっているのは、私だけじゃないと思った。
将来のことについて
B:サッカー選手になりたい。家族がサッカーが好きだから。
溝口:サッカーでも、声かけしたりするよね?そんな時は?
B:大人になったら、(吃音も)どうなっているか分からないし…。サッカーやっているときは、そんなにどもらない。インタビューとかがあるかも知れないけど、それは大人になってからだから。大人になっている時には、吃音も何とかなっているかも分からんし、治るかもしれへんし…。
E:パイロットは、しゃべりがいっぱいあるけど…、なりたい。
D:オレは、プロの将棋士。8位になったこともあるくらい、将棋は好き。
C:でも、「よろしくお願いします」とか「負けました」とか言わなあかん。
D:そう、「負けました」とか。だから、絶対負けたくない。強くなりたいねん(笑)。
A:自分は、洋服のデザイナーになりたい。どちらかというと、何かを作るのが好きだから。話をしなくても良いし・・。
D:でも、(デザインの)相談をするときとか話をしなくちゃいけないけど…、ちゃんと良い服を作っていれば良い。そうしたら、どもりは、関係なくなる。
掛田:なるほど。どもっていたら、できないとか、なれない仕事ってあると思う?
E:歌手!
A:でも、歌っているときに一回もどもったことないよ…。
E:そうか。じゃ、社長。会議でどもるから。社員もできひん。電話とかあるし。
B:どもってても、電話でしゃべったらええねん。
溝口:じゃあ、どもっていても、できない仕事はないってこと?
B:あっ、分かった!どもることが恥ずかしいとか、しゃべりたくないとか思う子にはできない仕事はあるけど、気にしなければ、どんなことでもできる!
C:それは、ここのキャンプに来たら分かるな!
溝口:それは、前からそう思ってた?
C:ううん、今、そう思いついた。
D:苦労はするけど、がんばれば、できる。
C:あの、ニュースとかでしゃべる…、アナウンサーとかは?
溝口:どもりのアナウンサーもいるんだよ。
E:学校の先生なんかも、難しいんちゃうの。
溝口:ここのキャンプのスタッフには、どもる先生、いっぱいいるよ。
掛田:歌手、俳優、落語家、アナウンサー…などなど、話をする仕事についている吃音の人はいっぱいいて、本(吃音ワークブック)にたくさん名前を紹介しているよ。
溝口:みんながどもるパイロットやサッカー選手、棋士、デザイナー…になって、またこのキャンプにゲストで来てくれたら、嬉しいなあ!
キャンプに来ての感想など
B:ここに来てよかったことは、どもっている人がいっぱいいて、安心できる。どもっている子と一緒にいて、野球やったり普段遊んでいる時もずっと楽しかった。
C:劇を見たりとか、いっぱいあったから楽しかった。見るのも楽しかった。(劇を)やるのは、わからんけど・・。来て良かった。
E:楽しかった。ごはんを食べるのが。遊びとか、野球とか楽しかった。
A:どもっているのは、私だけじゃないんだということが分かって、嬉しかった。
D:自分だけじゃなかったから、それを知って嬉しかった。それと、ここはごはんが本当においしいのが良かった!
話し合い直後の昼食の時間、なぜか自然に同じテーブルに集まってくる3年生たち。食事のメニューについてあれやこれやと言いながら、話し合いの「余韻」を楽しんでいるようだ。もしかしたら、話し合いでは、ちょっぴり「背伸び」もしたのかも知れない。また日常に帰れば、辛い現実に落ち込むこともあるかも知れない。しかしそんな時こそ、普段考えたこともなかったような吃音への新たな視点に興奮し、自分たちの思いや「願い」を語り合った今日のこの話し合いのことを思い出してくれたら嬉しい。そして、また来年、その次の来年も、会おう。そしてまた思い切り夢や希望を、話し合おう。そんな事を考えながら、子どもたちを眺めていた。ふと目があった子が、ニコニコしながら「おいしーい!」と叫んだ。
5.変わるもの、変わらないもの~キャンプの心~
宿泊所の2階には、参加者がいつでも飲めるように冷たいお茶が用意してある。これは宿舎が用意しているのではなく、スタッフの兵頭さんがこまめにお茶を沸かし、準備してくれているのである。今年は、そこに新見さんの姿もあった。二人が何度入れても、お茶はすぐになくなってしまう。それでも、兵頭さんと新見さんは、文句も言わず静かにお茶を足し続けていた。兵頭さんは、どもる子どもの親として参加し、子どもが参加しなくなっても参加し続けている。10年前もやはり同じ仕事をされていた。
サマーキャンプは、こんな名物スタッフたちの静かな支えによって成り立っている。山登り、掃除、シーツ交換、出会いの広場…。それぞれの場にそれぞれの名物スタッフがいて、多少のメンバーの入れ替えもありながら、その仕事の心は丁寧に受け継がれて続いている。この「変わらない」スタッフたちの心が、サマーキャンプを貫く心そのものではないかと私は今年参加しながら改めて感じた。
一方、変わっていくキャンプの風景もある。今年特に目をひいたのが、親たちによるキャンプ運営の姿である。キャンプ史上最多の参加人数となった今年のキャンプ、食事の準備や部屋の掃除チェック、作文の会場設営など、スタッフの人数だけではとても足りず、急きょ参加年数の多い親にも仕事を分担してもらった。おかげでどれも非常にスムーズに運び、今後のキャンプの新しい形が生まれた年になった。また、宿泊部屋では、毎年参加している父親たちが、時にスタッフ以上にこまめに初参加のお父さんたちに声をかけて、サポートしてくれていた。私などが言うのもおこがましいが、キャンプがいよいよ成熟してきた姿なのではないかと印象づけられた。キャンプは、これからも成長し続ける。
6.おわりに
いよいよキャンプの終盤、「ふりかえり」の時間にスタッフの兵頭雅貴さんが紹介された。雅貴さんは、先に紹介したスタッフの兵頭さんの息子さんである。10年前、父の兵頭さんに連れられてよく大阪吃音教室に来ていた頃の雅貴さんは、ほっそりとして静かな印象の少年だったが、現在は筋骨隆々で逞しく、表情豊かでとても魅力的な青年になっていた。大学を卒業したら消防士になりたいとの夢をもっていたが、消防士は、緊急の無線連絡など、どもる人にとっては、ハードルが高いと一般的には考えてしまう。大阪吃音教室の先輩に相談したところ、「苦労するなら、好きな仕事でした方がいい」というアドバイスを受けて挑戦していた。大阪府の試験は落ちたものの、東京都の消防士の採用試験に合格し、もうすぐ消防学校に入る予定である。
雅貴さんが、採用試験のエピソードを全員の前で報告してくれた。そして、自分の吃音のことを伝えた上で合格したこと、だからもし研修や仕事の中で自分の吃音のことをどうこう言われたとしても、自分は吃音についてちゃんと話した上で、採用したのは先方なのだから、誰にも文句は言わせない、ということをユーモアたっぷりに話してくれ、会場は爆笑の渦に包まれた。
このしなやかな感性は、決して言語訓練室でのセラピーや発声練習によって、一朝一夕に培われるものではない。どもりに悩み、考え、苦しみながら生き抜いてきた彼の人生の中で、ゆっくりとゆっくりと育まれたものである。吃音を否定し、それを治さねばならぬと考える時、その悩みやこれまでの苦しい人生は、ただ憎むべき存在にしかならないであろう。しかし、その苦しみと向き合い、その意味を考えようするとき、それはかけがえのない苦しみとなり、かけがえのない悩みとなることを、サマーキャンプの参加者たちの姿は教えてくれる。
吃音の苦しみは、それと誠実に向き合おうとするとき、出会いや喜び、勇気やチャレンジ、知恵や優しさ、どもるからこそ磨かれる表現力など、人生を豊かにしていくための様々な力を無限に生み出してくれることを、サマーキャンプの23年の歴史と、参加者たちの人生は教えてくれる。ひとりで悩んだり考えたりすることも大事だが、それだけではしんどい。そんな時、サマーキャンプで出会ったあの顔やこの顔、ちょっとがんばってやり遂げた自分自身のこと、誰かのことばを思い出すと、少し勇気が出る。
サマーキャンプは、変わり続けていく私たちを、変わらず滋賀の荒神山で待っていて、見守ってくれる故郷のようなものだ。参加者たちを見送り、片づけを済ませたあと、来年もきっと帰ってくることを誓いながら、私も、”故郷”をあとにした。
第23回吃音親子サマーキャンプ参加者内訳
参加者151名
◇どもる子ども…51名
◇きょうだい…9名
◇保護者…54名 父親…19名 母親…35名
◇スタッフ…37名
ことばの教室の教師や言語聴覚士…13名
通常学級、支援学校、支援学級の教師…8名
どもる人、サマーキャンプの卒業生…16名
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/08/19

