吃音と向き合う話し合い

吃音親子サマーキャンプには2つの大きな取り組みがある。表現としての取り組みである「劇」の稽古と上演。そして、吃音についての話し合いである。特に、吃音についての話し合いは、この活動抜きに私たちのキャンプは成り立たない、とも言えるほど大切にしている活動である。

吃音の症状の改善や消失を目指すのではなく、吃音と上手につきあうことを目指す私たちにとって、また子どもたちにとっても、吃音との向き合い方や、吃音と向き合う知恵が自然と学び合える、大切な時間の「話し合いの場」である。

年代別の話し合いの時間はいつもは3度ある。今年は卒業式のために2回となったが、中学生や高校生には不満だったようだ。1回目は、初日の夜に90分の話し合い。2回目は、2日目の午前中に90分だ。2回目の話し合いの前に、ひとりで自分のどもりについて体験や気持ちを作文にする時間がある。子ども達は、話し合いの時間は、どもりについて話し合う時間だと覚悟をしているようだ。

ここに紹介するのは、話し合いの部屋にみんなが入ってきたところから、ちょっと休憩をはさむまでの1時間の話し合いの全てである。加筆やカット編集はしないで、そのまま掲載した。意味が分かりにくいところは想像で補っていただき、子どもの立場、気持ちを想像して、話し合いの場にいるようなつもりで読んでいただければうれしい。この話し合いに加わった3人の大人はとても楽しかった。子どもたちも、楽しそうに自分のどもりについて語っていた。爆笑、爆笑が続く場面もあった。