君たちの兄さんのつもりで書いてきたが、僕は君のお父さんの年代だった。君にはくどくどと親の説教のように聞こえたかもしれない。そうだとすれば、子を思う親の気持ちが出すぎたのだと許して欲しい。
吃音と向き合い、吃音と直面することはとても勇気のいることだ。僕が21歳になって、それも同じ吃音に悩む人たちと出会って初めてできたことだ。難しいことだけれど、かけがえのない自分の人生だ、ちょっと勇気を出して欲しい。ちょっとでいい、ちょっとでも動き始めたら、後は君自身の力でどんどん動いていくはずだ。疲れたら休めばいい。途中でやめたくなったらやめたっていい。そんな時、このガイドブックの巻末に僕の電話番号が書いてある。いつでも電話してくれていいし、手紙をくれてもいい。君はもうひとりではない。病気や障害、その他様々な生き辛さをもった人たちが、僕たちのようにセルフヘルプ・グループを作り活動している。それらの多くの人たちと一緒に育んできたメッセージがある。それを君に送り、締めくくろう。
あなたはひとりではない
あなたはあなたのままでいい
あなたには力がある