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新・吃音ショートコース

吃音哲学 ~吃音の豊かな世界への招待~」が、初回から継続している共通テーマ。

講師を迎えず、吃音を切り口に、どう考えどう取り組めば、より楽しくより豊かに生きることができるかという視点で、生活、人生を見つめ直す場として開催。参加者が今一番知りたいこと、聞きたいこと、してみたいことをリクエストし、それに応える形で、内容・プログラムを組んでいます。


2023年度 第6回 新・吃音ショートコース

・日時:2023年06月24日~25日(土・日)

・会場:寝屋川市立市民会館


伊藤伸二ブログに掲載された、「第6回 新・吃音ショートコース」報告です。

☆同ブログ 2023.06.27「新・吃音ショートコース、終わりました」記事

☆同ブログ 2023.06.28「新・吃音ショートコースに参加しての感想」記事


24日(土)は、午後1時から夜10時まで、25日(日)は、午前9時から午後5時までという、普通では考えられないような長丁場の研修会でした。初めて参加した人がよく、「プログラムには夜10時までと書いてあって、本当かなと思っていたけど、本当だった」と言います。僕たちにとっては、ある意味、これが普通なのですが。

1日目、自己紹介の後、今回、この場でどんなことをしたいか、リクエストを聞いて、2日間のおおまかなプログラムを立てました。
高校生の生活支援の仕事をしている人から、「対話は対等性が大事だと聞くが、なかなか難しい。どんなことを大切にすればいいか」という話題が出ました。とても大切なテーマで、対話について考えている僕にとっても、ぜひ、考えたいことでした。「対話について」の対話は、教師や対人援助にかかわる人だけでなく、職場、家庭での人間的な対話について、深まっていきました。今回の吃音ショートコースの中での、「ハイライト」だったと、僕は思いました。

次は、今、心理学だけでなく、企業や自治体などでも注目されているウェルビーイングについて考えました。それぞれが思う「幸せ」について話し合いました。「幸せ」からの切り口は、多くのことが考えられるいいテーマでした。

発表の広場では、3つの発表と尺八演奏の後、第26回「ことば文学賞」の受賞発表。今年は11編が集まり、3編選んで読み上げました。聞いていたみなさんから感想をもらい、その後で、最優秀作品と優秀作品を発表して、ぎりぎり午後10時、会場を出ました。


2日目は発表の広場の続きから始め、1日目にリクエストされたことを全部取り上げました。
その後、日本語のレッスンとして、発音・発声の基本の確認と、歌を「一音一拍」を意識し、「母音」を押して、ゆったりと歌いました。そして用意してきた、歌舞伎の演目「白浪五人男」の口上を全員が一人で演じました。おなかから声を出し、気持ちのいい時間でした。特に、コロナ禍で大きな声を出すことがなかったので、より気持ちがよかったのかもしれません。

それぞれに満足して帰っていただけたようで、ほっとしています。大阪吃音教室とはまたひと味違った時間を過ごすことができました。


参加者の感想から。

・新しい発見、気づき、感情が次々とうまれる、常に新鮮な場であり、とてもおもしろかった。こんなすごい「世界」を吃音の人でも、まだ知らない人がたくさんいて、同時にもったいないと感じた。

・久しぶりに吃音のことを深く考える機会でよかった。日本語のレッスンでは、以前、大阪吃音教室でやった「竹内さんのレッスン」を思い出した。

・大阪吃音教室とは違い、全国、遠い所から参加される人がいる。いい刺激をもらって、また日常へと還っていこうと思うし、またこういう場に参加しようと思うのだ。

・在宅ワークになり、大阪吃音教室に参加できる機会がほとんどなくなったので、久しぶりに2日間、吃音についてゆっくり考えることができて有意義でした。

・自分の人生の振り返りを発表させていただき、ありがとうございました。吃音を治すのでなく、吃音の子どもたちと共に生きようとする言語聴覚士が、ひとりでも増えるよう、みんなでがんばっていけるといいかなと思います。

・内容の濃いあっという間の2日間でした。要項にある「吃音哲学」というテーマがピンとこず、心理学的な難しい話をされるのだろうか、果たしてついていけるものだろうかと心配でしたが、杞憂に終わり、思い出に残る2日間となりました。

・ちゃんとことばで表現しよう、違うことばの持つ異なる意味、ニュアンスをちゃんと区別しようという内容のイベントでした。時代が今、一つひとつのことばを大切にするところから世界をやり直すしかないところに来ているのだと思います。

・2日目だけの参加でしたが、ことばの教室の実践報告や日本語のレッスンの体験、合理的配慮についての話など、たくさんの吃音の世界に触れることができ、楽しかったです。

・今回が初めての参加でした。ライフサイクル論はやり直しのきくものだということばを聞き、どんな紆余曲折を経ても良いんだと、安心する気持ちを感じたのと同時に、とても優しい学問だなあと思いました。

・自己決定権の尊重と幸せの話が2日間の中で一番印象的でした。自由であることが幸せであるということを、子どもたちに伝えていきたいと思いました。

・印象に残ったのは、1日目の対談後の話し合いで、生徒は、話の内容よりも、その場や時間を覚えているとの意見が出たことでした。

・みんなのいろいろな話を聞いて考えることができた。日常を離れ、じっくり自分をふりかえる時間はとても心地よく、いい時間を過ごすことができた。

・発表の広場での発表は、2回目でした。今回はとてもリラックスした気持ちで、浮かんだことはばを伝えていこうと、ポイントとなることだけ考えて話しました。みなさんからもらったことばを整理して、子どもたちに伝えようと思います。

・対話の難しさについての対話は、去年の吃音親子サマーキャンプでの経験を改めてより深く考えるヒントをもらえたと思う。最近、吃音と自由ということを考えている。自由だということは、自己決定ができるということだと、つながった。


新・吃音ショートコース背景画像


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