新・吃音ショートコース
「吃音哲学 ~吃音の豊かな世界への招待~」が、初回から継続している共通テーマ。
講師を迎えず、吃音を切り口に、どう考えどう取り組めば、より楽しくより豊かに生きることができるかという視点で、生活、人生を見つめ直す場として開催。参加者が今一番知りたいこと、聞きたいこと、してみたいことをリクエストし、それに応える形で、内容・プログラムを組んでいます。
2022年度 第5回 新・吃音ショートコース
・日時:2022年10月08日~09日(土・日)
10月08日(土) 13:00~22:00
10月09日(日) 09:30~17:00
・会場:寝屋川市立市民会館
(〒572-0848 寝屋川市秦町41-1)
(京阪電鉄「寝屋川市駅」駅下車 東へ徒歩15分)
親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会、吃音親子サマーキャンプに続く、僕たちが大切にしている秋のイベントです。これも、コロナのために中止が続き、3年ぶりの開催でした。今年は、全て、対面で開催することができました。セルフヘルプグループ型の僕にとって、直に出会い、参加者の顔を見ながら、ことばや表情の温かさや豊かさを感じながらのミーティングは、何にも代えがたい大切な時間だったことを改めて感じました。
参加者は、大阪吃音教室のメンバーが多かったのですが、遠く千葉や東京、山口からも参加してくださいました。16名の参加でした。会場の寝屋川市立市民会館は、僕の地元です。初めてこのような集まりの会場として使用しました。広めの会場を予約していたので、ゆったりと使うことができました。
ホワイトボードの左に、参加者の吃音ショートコースで何がしたいかのリクエストを書き挙げました。みんなからのリクエストは、次のようなことでした。2日間で、この全てを、なんとか行うことができました。
・竹内レッスン…からだほぐしで脱力し、身体の緊張をほどいて対話に入ったら面白そう。可能なら声出しのレッスンもしてみたい。
・今、会社勤めで、教育の現場に関わっているわけではないが、住んでいる地域で、どもる子どもたちと交流を持ちたいと考えている。何かよいアイデアがあれば。
・もし、「何が何でも吃音を治したい。どもっている自分はだめだ」と、自分の吃音を受け入れず、吃音を治すことに必死な人に出会ったら、どう声をかけるか。
・20年間くらいどもりを否定してきたので、日常生活でどもらずにしゃべる自分なりの調整方法を持っている。最近は自分の吃音を受け入れつつあるので、時々連発でどもるが、まだまだ「どもれない体」になっていると思う。「どもれる体」になりたい気もあるが、どちらが自分にとって生きやすいのか分からない。「どもれる体」に変化した人の話を聞いてみたい。
・他の人が考えていることを共有してもらって、学びたい。
・「コミュニケーションとどもり」「対話とどもり」をテーマに話したい。そう思った背景は、どもる人の話を思い出しているとき、その人はどもっていない。どもり方に注意を向けると思い出すことができるので、忘れているわけではない。話の内容が重要でどもり方は重要ではないということだろう。一方、どもることに馴染みのない人は、内容よりどもり方に驚き、どもることばに注意が向いてしまうのだろう。また、記憶に残る魅力的などもり方をする人もいる。
・吃音で良かったことを考える
・来年度の「ことば文学賞」のテーマを考える
・文章の書き方講座
・吃音とは直接関係ないかもしれないが、コロナ禍の生活の中で考えたことや悩んだことなどについて、共有できたらと思う。
・どもる人が職場や地域などの社会で、力強く前向きに生きている様子、またサバイバルしている体験を聞きたい。
※伊藤伸二ブログに掲載された、「第5回 新・吃音ショートコース」報告です。
☆同ブログ「第5回 新・吃音ショートコース、終わりました」記事