第12回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会
6月に入り、早1週間。いよいよ「吃音の夏」がスタートします。
「吃音の夏」のスタートは、7月26・27日、千葉県柏市のさわやか県民プラザでの、第12回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会です。
親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会は、今年で12回目となります。
愛媛大学教授・水町俊郎さんや岐阜大学教授・村瀬忍さんたちと一緒に始めた吃音講習会は、水町さんがお亡くなりになって、4回で終わりました。そのときの吃音講習会を、シリーズ1とすると、その8年後にシリーズ2が始まり、それが今年、第12回となります。
これまで、どもる子どもが幸せに生きていくために、学童期に私たちがしておくべき事を模索し、子どもと対話をする視点として、レジリエンスや健康生成論など、7つの視点について紹介してきました。そして健康生成論の把握可能感、処理可能感、有意味感の3つをつかみとることができる教材として、吃音氷山説に基づく吃音チェックリスト、吃音の問題や課題を理解する言語関係図、吃音をいろんな角度から考えることができる「吃音カルタ」などの教材を紹介してきました。この3つの教材を使って子どもと対話を続けることが、吃音を生き抜く力を育てることになると私たちは確信しています。
今年はこの実践が子どもにどのような力を育てることにつながったかを検証します。
今年は、今、幼児教育を中心に関心が広がっている「非認知能力」を取り上げます。
2000年、ノーベル賞を受賞した経済学者ジェイムズ・J・ヘックマンが、幼児期における教育の効果に関する研究データをもとに、幼児期に特に重要なのは、認知能力(IQで測られるような知的能力)を身につけることではなく、非認知能力を身につけることだと結論づけました。「非認知能力」は幼児期だけでなく、学童期に育てられるものです。何が起こるか予測できない不確実なこの時代を生き抜くために、この「非認知能力」はどもる子どもにとって、大きな力、生き抜く武器になるでしょう。
今回、ことばの教室で、長年、子どもと取り組んできた実践を、ただ報告するだけでなく、ワークショップの形をとって、参加者と一緒に学んでいきます。注目されている非認知能力を紹介し、どもりカルタ、言語関係図、吃音チェックリストで、子どもと一緒に学んだことが、非認知能力とどのように結びつくのかを共に考えていく吃音講習会にしたいと考えています。
日時 2025年7月26・27日(土・日)
会場 千葉県柏市 さわやか県民プラザ
参加費 6,000円(当日、受付でお支払いください)
参加申し込み 参加申込書に必要事項をご記入の上、郵送またはメールで
問い合わせ 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二まで TEL/FAX 072-820-8244
【親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会】の詳細は、ホームページ【https://www.kituonkosyukai.com/】でみることができます。ホームページでは、今年の案内の詳細、参加申し込み書がダウンロードできます。また、これまでの吃音講習会の様子なども掲載しています。
みなさんのご参加、お待ちしています。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/06/09