第35回吃音親子サマーキャンプ 3
いよいよ最終日。朝のつどいの後、朝食。その後、全員が部屋に待機して退所点検を受けました。活動開始は、午前9時からです。子どもたちは、初日にスタッフが上演した円形のオリエンテーションホールで、グループごとにリハーサルです。親たちは、談話室に集合して、恒例の親の表現の練習が始まります。親の表現活動は、これまでずうっと、工藤直子さんの「のはらうた」を使ってきました。話し合いのグループごとに、ひとつの詩を、立体的に構成していきます。そして、子どもたちの劇上演の前座として披露してきました。今年は、人と人とをつなぐ大切なことばとからだをテーマに、原点に返って、ダンス特集としました。「荒神山ののはらうた」ではなく、「貝塚ののはらうた」です。リピーターの親が中心になって、自主的に、主体的に、練習が始まりました。だんだん熱を帯びてきて、床に寝っ転がったり、飛び跳ねたり、談話室が狭く感じられました。よく見ると、初参加の人もいつの間にか、夢中で練習しています。2日間、一緒に話し合いのグループとして活動してきた連帯感が、ここに表れているようでした。練習時間わずか1時間という短い時間でしたが、見事に仕上げました。リハーサルをして、OKです。
貝塚劇場の開演は、午前10時半。円形のオリエンテーションホールの階段状になった客席が埋まり、いよいよ始まりました。ダンス特集の親の表現がスタートしました。ダンゴムシの小さな足が動いている様子、メダカの群れが一列になって泳いでいる様子、ドジョウがくねくねと踊っている様子、弾けた親の姿に子どもたちも、スタッフもびっくりでした。
そして、メインは、子どもたちによる「モモと灰色の男たち」の上演です。竹内敏晴さんは、舞台に立つことを、自分をあとに引けないところに立たせると言われました。舞台という逃げ出せないところに立ち、自分を支え、どう表現するか、ことばをどう相手に届けていくか、子どもたちもきっと必死だったことでしょう。
アドリブが入ったり、あっと驚くような思わぬ演出があったり、スタッフの見本の劇とはまた違う「モモと灰色の男たち」の舞台がそこに立ち現れました。
終わった後は、ふりかえりです。親のパフォーマンスを見て子どもたちから素直な感想が出てきます。自分の演技に的確なふりかえりをする子もいます。親の表現を初めてみた初参加のことばの教室担当者からは、「のはらうたがこんな形になるなんて…」と、興奮した気持ちが伝わってくる感想が聞かれました。そうして、みんなでこの3日間を振り返りました。
会場が使える時間が残り5分のところで、集合写真を撮りました。「親、教師、言語聴覚士が使える 吃音ワークブック」の表紙を飾る集合写真以来の撮影となりました。
昼食をとり、あわただしく荷物を運び出し、帰る準備です。
水間鉄道のバスが2台、迎えに来てくれました。
終わってしまった―。バスに乗り込むみんなに手を振り、黄色いバスの背中を見送って、そう思いました。そして、無事、終わったことに感謝しました。
支払いを済ませ、来年の予約をして、自然の家をあとにしました。
来年の日程は、2027年8月27・28・29日の2泊3日、会場は、今年と同じ大阪府立少年自然の家です。今年、参加されたみなさん、来年もお会いしましょう。今年、参加を迷っていた人、ぜひ、来年、ご参加ください。
いつまで開催できるか、わかりません。最近、僕たちはいつも、「今年がラストサマキャン」と思って、開催しています。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2026/09/06






