第13回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会~振り返りの感想から~

 第13回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会が無事終わったことを報告しました。講習会という名前がついていますが、なんか不思議な空間です。
 まず、参加している人たちがバラバラというか、いろんな立場の人が集まっていて、均一の集団でないこと。初日の公式プログラムの終了が夜の8時過ぎだということ。話を聞きながら、大笑いをしたり、前を向いて聞いていたかと思えば、グループを作って話し合ったり、自由な空気が流れていること。寄せ鍋のようで、味わい深い、いい味を出していたように思います。
 一日が終わるごとに、感想を書いていただきました。また、最終のセッションでは、ひとりひとり、2日間の講習会を振り返りました。その中から、1日目の、保護者へのインタビューと大阪吃音教室の公開講座について、感想をいくつか紹介します。

○どもる子どもの保護者へのインタビュー
・ことばの教室でできることなんて、大してないなと思った。「ことばの教室で何とかしなければ」というプレッシャーが外れた。
・吃音の話だったが、途中からどんな子育てにも通ずる話だと感じた。
・迷うことなく、こっちの道を選んだ、ブレることはなかったのは、その直感を支える「知」や「経験」があるからだと思う。
・子どもの成長とそれを見守る親の心温まるエピソードをたくさん聞き、素直な気持ちで感動した。いろいろ悩みながらも、困難を乗り越えてきた力に、元気をもらった。
・成長とともに様々な課題はあるが、相談し、考えることを通して、乗り越えられていた。何か行動することで、その後の状況は変わってくると感じた。
・顧問の先生からの「主将、やらないか」、副主将の「主将のあなたが、あいさつを言うべき」というきっかけから、部員に助けてもらい、目的をやりとげるエピソードが印象的だった。「自分ひとりでしなければならない」という価値観にとらわれず、周りに助けを求めることができる(お願いできる、頼ってもよいと思える)力、発想力は、これからの人生でも助けてくれるものになるのではないかと思った。
・子どものたくましく、しなやかな姿が目に浮かび、うれしくなった。

○大阪吃音教室の公開講座
・様々な角度からのとらえ方を知ることができ、答えはひとつでないし、どの答えが良い、悪いもないと、改めて気づくことができた。
・生の声には、非常に考えさせられるものがあった。他の研修会では、「子どもの気持ちに寄り添った指導」という言葉を耳にするが、実は私たちが寄り添っているのではなく、子どもたちが私に寄り添わせてくれているのではないか、とさえ思わされた。子どもたちにとって、常に「話すに値する人」であり続けるためにも、今後も学び続けなければ!と決意を新たにした。
・どもる大人同士、それぞれの考えをぶつけ合う白熱した対話だった。同じどもる人でも、価値観や考えが違うことにおもしろさを感じた。
・現実の吃音の状況がリアルに知れてよかった。本音が聞けて、貴重な無体験だった。
・2時間の講座は、あっという間だった。それぞれの経験から考え方は個々に違っていた。本音で語る白熱した議論に圧倒される思いだった。受け持ちの子ひとりひとりの顔を思い出し、もっと深く対話したいと思った。
・就職についての話し合いでは、新たな視点をたくさんもらった。「僕を採用したなら、吃音について承諾したということでしょ」という発想がユニークで、目からウロコだった。就活も乗り越え、仕事をしておられる方々の声は貴重だった。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2026/08/05

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