吃音ホットラインに電話してきてくれた君へ
4月16日の夜、関東地方から吃音ホットラインに電話してくれた君、その後、どうしていますか。
『どもる君へ いま伝えたいこと』を読んでいた君は、僕の吃音ホットラインのことを前から知っていて、今回、電話してくれましたね。後で気がついたのですが、電話の10分前に、ホームページから問い合わせメールを送ってくれていたのですね。僕は、それに気づかずに、君と電話で話をしました。君は、2つ質問があると言いました。
一つ目は、授業中の発表のこと。担任の先生には、吃音のことを話してあるので、発表しなくてもいいことになっている、でも、クラスメイト全員に吃音のことを言っていないので、自分ひとりだけが発表しないのは嫌だ、どもって発表するのも嫌だ、どうしたらいいか、ということでした。どちらかに決めるしかない、僕はどちらでもいいけれど、これからの人生は、選択の連続だから、今から練習しておくといいよ、逃げたい方を選択して、少しずつ挑戦する方がいいのではとアドバイスをしました。
二つ目は、発表があると思うと、ずっと不安が頭から離れない、それを消すことができないか、ということでした。僕は、不安があっても、眼の前の自分のしたいことやしなければならないことを一所懸命することしか不安から離れる方法はないと思います。発表のことは考えず、準備もしないで、いまある自分の力で発表する。そのとき、その場で対応することです。不安を消そう消そうと思ってもそれはできないので、別のことを誠実に真面目にしていこうと伝えました。君なら、がんばれると思います。
電話の後で、問い合わせのメールに気づき、返事を出しましたが、見てくれましたか。電話で話したことと同じことですが、次のように返信しました。読んでくれていると、うれしいです。
昨日、お電話をくださった高校2年生の○○さんですね。
電話の前に、この問い合わせのメールをいただいていたのですね。気がつかないで、電話を受けていました。
質問の2つについては、直接電話でお話したとおりです。
どもって発表するのが嫌、でも、みんなと違う対応をされているのも嫌、どっちをとるかですね。どちらでも構わないと思うけれど、今後のことを考えると、逃げてばかりいられないから、今のうちに、練習と思って、どもりながら発表することに挑戦した方がいいと思います。
2つめの質問ですが、吃音の大きな問題として、予期不安があります。不安な気持ちを消すことはできないけれど、眼の前のことを一生懸命することで、結果として、予期不安が入り込む余地をなくすことはできると思います。勉強やクラブ活動など、君の今の課題にがんばって取り組んでほしいです。
ひとつ、昨日、言い忘れたことがあります。
君は、「どもる君へ いま伝えたいこと」を読んで、電話をかけてくれました。このことは、すごく勇気のあることです。自分の課題に積極的に取り組もうとしている君に、敬意を表します。
夏に、吃音親子サマーキャンプという、どもる子どもたちが全国から集まるキャンプをします。また、来年ですが、1月に、東京で、吃音のことを考えるワークショップをします。どちらも、日本吃音臨床研究会のホームページで案内しますので、よかったら、参加してください。特に、サマーキャンプは、紹介の映像もあるので、見てください。
もしまた、何か困ったことがあったら、いつでも、電話してきてください。
伊藤伸二
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2026/04/25

