大阪スタタリングプロジェクト、年に一度の運営会議

 2月22日土曜日、大阪吃音教室の例会会場である大阪ボランティア協会で、大阪スタタリングプロジェクトの運営会議が行われました。午前中は、機関紙「新生」の印刷・発送をし、午後は運営会議です。参加した運営委員は、体調不良による急なキャンセル1人を除いて16名。土曜日に仕事がある人もいて、終わってから駆けつけた人もいました。
 昨年までは、土曜日の午後・夜間、翌日曜日の午前を使っていましたが、それぞれに忙しい身なので、今年は土曜日だけで行おうということになりました。昔は、一泊して運営会議をしていたときもありました。
 はじめは、参加者の今年度の振り返りから。担当した講座の振り返り、参加した講座で印象に残っていること、プライベートな振り返り、以前は、このひとりひとりの振り返りだけで長い時間を使ったこともありました。このふりかえりの中で印象的なのは、それぞれが、誰かが言ったことをよく覚えていて、「そのときは、こうだった」「あのときのあの発言はよかった」と、その場を再現することです。オープンダイアローグで大切にしていることのひとつに、応答性がありますが、それが自然とできていることが印象的でした。
 大阪吃音教室は、日本吃音臨床研究会と協同で、いろいろなイベントをしているので、年間のイベントの日時や会場の確認もしました。2025年度の大枠が決まっていくことを実感しました。毎週金曜日の大阪吃音教室の講座の世話人を決め、機関紙「新生」の編集日や担当者の確認をし、いよいよ年間のスケジュールです。予め、会長の東野さんが、2025年の1年間の金曜日を拾い上げてカレンダーを作っておいてくれたので、それと今年度のスケジュール表を照らし合わせて、2025年度のスケジュールを作っていきました。講座名を変えたものもあります。担当者も、それぞれ立候補で決まっていきました。
 また、新しい提案も出てきました。どもる人にとって、最大の課題は、就職です。これは、参加者みんなが経験していることです。その就職問題を、真正面から真剣に考えてほしいという願いが、提案者からは感じられました。どもるから、話すことの仕事に就いた方がいいだろうとか、エントリーシートに自分の吃音のことを書いた方がいいのか書かない方がいいのかとか、面接に臨む心構えとか、そもそもどんな仕事に就いた方がいいのかとか、障害者手帳を取得し、障害者枠で就職するという選択肢も現実にはあるようだが、果たしてそれが真にどもる人にとっていいことなのかとか、考える材料はたくさんあります。ひとりで考え、結論を出すのは大変です。そんなときに、みんなで一緒に考えていきたい、考える場を提供したいということなのです。そして、それは、年が明けて、2月、3月くらいに強化月間としてスケジュールに組んでいこうということになりました。
 真剣に、ときに大笑いをしながら、運営会議は進みました。参加しているひとりひとりにとって、この場、大阪吃音教室が大切な場なんだということが強く伝わってきました。このような仲間と共に活動できることの幸せを思いました。
 大阪吃音教室の2024年度は、3月21日まで、2025年度のスタートは、4月11日からです。
 どもる人、どもる子どもの保護者の方、どもる子どもにかかわっておられる方、吃音とは関係ないけれど声やことばについて考えたい人、どうぞご参加ください。詳しくは、ホームページで。そのホームページも仲間が改訂を繰り返して、より見やすく、内容も充実しています。ときどき、ホームページ、のぞいてみてください。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/2/24

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