大阪吃音教室の忘年会

 一昨日の金曜日は、大阪吃音教室の2024年の最終講座、そして、昨夜は、忘年会でした。
 これまでずっと僕の近所のカフェ・グッデイズというお店で忘年会をしてきたのですが、店の事情で今年は、会場を変更しました。僕たち大阪吃音教室の忘年会の最大の特徴は、参加者ひとりひとりのスピーチです。質問が出たり、他の人からの付け足しがあったりで、長い時間がかかります。そんなことを許可してくれるお店はなかなかみつかりません。今回は、仲間の奥田さんがお店と交渉して、大阪吃音教室の忘年会にふさわしい会場をみつけてくれました。
 あいにくの雨が降り出しましたが、午後6時15分、定刻を少し過ぎて、東野会長のあいさつで、2024年の忘年会が始まりました。
 体調不良で急なキャンセルもありましたが、今年の参加者は、23名。いつも教室で会っている人もいれば、久しぶりに会う人もいます。昨年の忘年会以来という人もいます。会に入会して間もないというニューフェイスも。午後7時過ぎから、恒例のスピーチを始めました。今年1年を振り返って、いろいろな話題が出てきました。

・仕事も家庭も順調。こんなに幸せでいいのかとしみじみ思う。
・コロナに感染し、しんどかったけれど、趣味を持とうと、ギターを始めた。
・なんとか1年を過ごすことができた。子どもからプラスのストロークをもらっている。
・吃音を治そうと思っていたけれど、大阪吃音教室に来て、つきあっていくものだと考えを変えた。
・ある家族会に参加して、当事者グループはいいなあと改めて実感した。経験を踏まえた知識を伝えていきたい。
・映画「ぼくのお日さま」の主人公の描かれ方で、吃音の嫌な思い出がいいものに変化した。
・名前が言いにくかったが、ゆっくり母音をしっかり言うことを教えてもらい、実践している。どもりながらの営業は、誠実にみられ、仕事にいい影響を与えている。
・吃音教室は、人間として育ててくれるすてきな場所だ。
・普段、教室に行けないが、今日、参加できてよかった。
・仕事でしんどいことがあり、辞めたが、それは、ストレスのない生活を取り戻したことになると気づいて、楽になった。
・どもる当事者として、言語聴覚士として、そしてどもる子どもの保護者として、吃音とかかわっている。多くのイベントに参加し、学んだ1年だった。
・言いたいことを話しているのがいい。改めておしゃべりだったんだと実感。
・ビデオの編集をしていて、映像の中で、毎日、ここにいるみんなと会っているように感じている。新聞等の論調は、社会に変わってもらおうだが、そうではなく、自分たちは信じる道を機嫌よく進んでいこう。
・映画「ぼくのお日さま」の食卓の場面、父親もどもっている様子が描かれていた。自然な存在がよかった。
・入院したり、食事療法したり、残念な1年だった。担当した講座では参加者のみんなからいろいろ提案してもらい、いい経験になった。
・仕事上、しんどさを抱える人に接することが多いので、常に、自分の考えを持っていたいと思う。自分の意見、自分の思いを大切にして、歩いていきたい。
・小倉智昭の著書「本音」を読んだ。吃音の先輩が亡くなったことはショックだった。
・介護の仕事を通して、いろいろなことを覚え、おもしろく過ごしている。
・「フクチッチ」で吃音者宣言が取り上げられ、改めて、この宣言に支えられてきたことを確認した。「ぼくのお日さま」も、よかった。吃音が生活に彩りを与えてくれていることに感謝している。
 僕は、次のようなスピーチをしました。

 今年1年を漢字一文字で表すと、「痛」。3月頃は、あまりに腰痛がひどく、近くの病院に行くにも、車椅子に乗らなくては移動できなかった。まだまだ活動したいので、来年1月に手術することを決意した。痛い、痛いと言いながらも、なんとか今年もいつもと同じように活動できた。たくさんのどもる子ども、保護者、ことばの教室の担当者や言語聴覚士に出会い、そして対話をした。そのときのベースとして支えてくれているのが、大阪吃音教室での学びであり、みなさんの存在だと感謝している。

 お店を出たのは、午後10時を過ぎていたでしょうか。夕方の雨もすっかり止んでいました。いい仲間と、いい時間を過ごし、今年1年感を振り返ることができ、よかったです。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2024/12/22

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